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鼻猫亭

毎日のこととかぼんやり考えたことなど

仙台で牛タンを食べる話

 僕の仕事は、1、2か月に1度くらいの頻度で不定期の出張があるのだけど、ほとんどが日帰りだし、だいいち、職場に帰ってからもやることは待ってるので、用が終わればすぐに帰ってしまう。

 そんなわけなので、ちょくちょくあちこちに出かけてはいるものの、基本的には行った先で街並みをぼんやり眺めるくらいで、そこに何があるのかはあまりよく知らない。

 例えば、昨年は姫路に3、4回行ったんだけど、姫路城なんて新幹線の駅からしか見たことがない。一回はちょうど大きなお祭りの日だったらしいんだけど、祭りの喧騒すら耳にしていない。なんだかもったいない気もする。
 ちなみに姫路城は、遠くの方に何やら巨大なシェルターに覆われたものが建ってるので、なんだろうと思って聞いてみたら、改装中の姫路城だった。
 取りあえず周囲には、「姫路に行って姫路城を見た。」と言ったんだけど、よく考えると、見たのはシェルターであって、いまだに姫路城を見たことはない。まあ、「姫路に行って姫路城のシェルターを見てきた」の方が、単に「姫路城を見てきた」よりもレアな感じがあっていいかな、などと考えています。


 さて、出張先のひとつに仙台があって、ときどき行くことになるのだけど、仙台に出張するときはなぜかお昼にかかることが多くて、仙台で昼食を取ることになる。
 これは、行って帰るだけの僕の出張ライフの中でも貴重な観光的な時間だ。ここは是非、仙台の仙台による仙台のためのものを食べたい。
 とはいっても、例によって時間は限られてるので、駅の中で食べるとして…と思って探してみると、仙台駅内の飲食店通りは

 牛タン 牛タン 牛タン 牛タン 寿司 寿司 寿司

みたいになってるんですね。

 もう全面的に牛タン推し。なんだか仙台の「牛タンを食え。嫌なら寿司でも食ってやがれ。」というメッセージをひしひしと感じる。いや、別に寿司でもいいんだけどさ。

 仙台で食べる牛タンは、薄く切った焼肉屋の牛タンと違って、肉厚でやわらかくてこりこりしててとても美味しい。牛タンになぜかつきものの麦とろもざくざくとろとろ美味しい。なぜ牛タンと麦とろが合うのか、さっぱり分からないんだけど、この組み合わせを発明した人には何か勲章的なものをあげるべきだと思う。

 しかし、ここで思うんだけど、仙台の人はこれだけ牛の舌ばかり大量に消費して、牛の本体はいったいどうしてるのか。
 牛タン屋では基本的に牛タンしか出ないし、仙台市内にそんなに焼肉屋が多いようにも見えない。
 舌を切り取った牛をそのへんに放擲しているとも思えないので、たぶん仙台の牛は舌を切り取ってもまた生えてくるんですね。でないと辻褄が合わないもの。

 ところで先日、同行者がついに「毎回牛タンってのもね…。」と言い出したのでわりと惰性な感じでスパゲティを出している喫茶店風のお店に入りまして、そこで食べた「味噌トマトスパゲティ」が意外にも美味しくて、本当はこの話を書きたかったんだけど、まあそれは別の話にしておきます。