終末まで実際にどれだけあるのか
米国の科学雑誌「原子力科学者会報(Bulletin of the Atomic Scientists)」は、その表紙に世界終末時計を掲載し、年に1度、指している時間を更新している。
終末時計は文字通り、終末までの残り時間がどれくらいなのかを表している。もとは第二次大戦で原子力爆弾が実際に使用されたことなどを受け、核の問題について世の中に警鐘を促すために考案されたものだそうだ。
2021年現在、時計の針は終末である0時にこれまで最も近づいた午後11時58分20秒、つまり「残り100秒」を指しているとのこと。
それでは、「残り100秒」というのは実際にはどれくらいの時間をいうのだろうか。
我々には終末まで、どれだけの猶予が残されているのだろう?
まず、終末時計の時間が何を表しているのかを考える。
先ほども書いたとおり、時計の針が午前0時を指すときが終末だ。つまり、その時に地球が終焉を迎えるということなのだろう。
そうすると、終末時計は地球の始まりから終わりまでを1日ととらえたものと考えるのが自然なのではないだろうか。地球が誕生してから現在までの時間(約46億年)に、現在から終末までの時間(「x年」とする)を加えた時間を24時間に例えているのだ。
そして、この場合の「x年」に相当する時間が、終末時計上の残り時間である「100秒」(2021年現在)ということなのだろう。
この関係を表すと次のようになる。
(4,600,000,000+x)年:x年 = 86,400秒*1:100秒
ここでxを求めると次の通りだ。
86,400x=100(4,600,000,000+x)
86,400x=460,000,000,000+100x
(86,400-100)x=460,000,000,000
x=460,000,000,000/86,300
x=5,330,243
つまり、現在から終末までの時間は約533万年ということだ。結構あるじゃん、良かったね!
いや待って欲しい。「終末」が地球そのものの終焉ではなく、人類という種の終焉を表してる可能性もある。人類がいくら核を使っても、地球が木っ端微塵になることはない。たぶん。
そうだとするとどうなるのだろうか?
現生人類、ホモ・サピエンスの誕生を20万年前として*2、そこから1日が始まるとすると、上記の式は次の通りになる。
(200,000+x)年:x年 = 86,400秒*:100秒
x=20,000,000/86,300
x=231.7
これでも人類はあと232年くらいは存続可能なようだ。人類がんばれ!
*1:24時間を秒で表した値
*2:NHK スペシャル |人類誕生 (3 回シリーズ ) 「およそ20万年前に誕生した、私たちホモ・サピエンス」