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鼻猫亭

毎日のこととかぼんやり考えたことなど

蟹フォークについて

だらだら考える

 蟹にはあまり執着がありません。

 全国の蟹ファンの皆さんには申し訳ないのですが、旅先の旅館なんかでズワイガニが一匹丸ごと食卓に乗ってたりすると、「ウヒョー」と思うよりも、どちらかというと「まいったなあ・・・」と思ってしまうタイプです。だって、食べるのが面倒くさいうえに食べるところ少ないんだもの。

 そんなわけなので、先日、旅行先の宿の夕食にズワイガニが家族4人分どーんと乗っかっていたときには、「まいったなあ」を通り越して、「すまん、勘弁して」と思ってしまいました。相方は蟹嫌いと言っても過言ではない人種だし、こどもらにはまだ蟹足のキチン質をむしり取るだけの腕力が備わっていない。4人前の蟹を一人で処理するなんてもう重労働もいいところです。現代における蟹工船小林多喜二カモン。

 さて、まるごと蟹の横に必ずといっていいほど添えられているのが蟹フォーク。細長い柄の片方に二股に分かれた小さなフォークが、もう片方に細長いスプーンが付いているいかにも蟹専用なデバイスです。「蟹以外の用途を禁止します」とでも言いたげなその威容に、つい、「これさえあれば、蟹の10杯や20杯をさばくくらい楽勝さ!」と思ってしまいがちですが、4人分の蟹を黙々と処理していて、蟹フォークが思いのほか役立たずだということに気付きました。

 まずはフォーク部分。おおよそ動物の筋肉というのは、縦方向に繊維が入っているのが自然の摂理。蟹とてその例外ではありません。したがって、縦方向に繊維の入った蟹肉を二股のフォークで縦方向からこそげ取ろうとしても、筋肉が繊維に沿って分離するばかりなのは当然のこと。蟹フォークの開発者は何を考えていたのか。

 もっと良く分からないのがスプーン部分。もぎとった蟹足の切断面から突っ込もうとしても突っ込むことのできない中途半端なサイズ。たとえ、切断面からスプーン部分を挿入できたとしても、蟹肉をかき出すにはあまりに大き過ぎて、せいぜい蟹肉をボロボロに粉砕するしかできない。唯一役に立つのは、蟹味噌をかき出す場面だけど、それって普通のスプーンでも十分間に合うと思う。

 そんなわけで、蟹フォークには怒りを感じることこそあれ、感謝の念は一向に湧かないので、新たに本当に役立つ蟹専用デバイスを提唱したいと思います。

 すなわち、フォークの片方は、耳かき状になっていて、より蟹肉をかき出し易くする。そしてもう一方は、鋭い刃がついていて、蟹の殻を切れるようになっている。洋裁道具のリッパーみたいな形が理想的。これならきっと蟹に勝てる!どうだ!


鼻猫亭

【ぼくのかんがえた蟹専用デバイス】

 ・・・とかなんとかいうことを某所でブーブー言ってたところ、こっそり教えていただきました。

 「蟹フォークは片方の二股に分かれた部分で蟹の殻を割り、もう片方のスプーン部分で蟹肉をこそげとるのが正しい使い方です。」

 ああ・・・そうだったのか。