ヨーグルトソースのマントゥを作る
トルコに行ったときに、ヨーグルトソースがかかったケバブを食べたことがある。
日本ではヨーグルトにはフルーツやはちみつなんかの甘い味付けをすることが一般的だと思うので、塩気のあるヨーグルトソースを肉に合わせるのはなんだか意外な感じがあるのだけど、スパイスの効いたケバブにヨーグルトソースはなかなか合う。
決して派手さや華やかさがあるわけではないし、癖になる味というのともちょっと違うのだけど、スパイスや塩と脂といった強い味付けをうまくヨーグルトで相殺していて、ちょっと独特な趣がある。あまり日本では食べることのない風味だ。
そんな話をしていたら、急にヨーグルトソースのやつが食べたくなったので作ることにした。トルコの餃子「マントゥ」だ。
まず、小麦粉に塩と水と卵でこねて、しばらく寝かす。
その間に牛ひき肉と玉ねぎのみじん切りに、クミンパウダーをたっぷり混ぜてこねて餡を作る。
ヨーグルトには塩とニンニクを混ぜておく。バター、トマトケチャップ(本当は発酵したトマトペーストを使うらしいんだけどそんなものはない)に赤唐辛子をフライパンにかけて溶かしておく。
寝かしておいた生地は平たく伸ばし、3センチ角に切り分け、そこに餡を少しずつのせて包む。
3センチ角という小ぶりのの生地には餃子を作るときの3分の1くらいの量の餡しか包めない。つまり、ちまちまちまちまちまちましたやつを大量に包まなければならない。単純計算で餃子の3倍包まなければならない。めちゃくちゃ面倒くさい。
大量のマントゥを茹であげ、ヨーグルトソースとバターソースをかけると出来上がり。難しくはないけどけっこう手間がかかる。
初めて作ったのでちゃんとできてるのか不安だったんだけど、一口食べて笑ってしまった。クミンのスパーシーな香りと、ヨーグルトのさわやかな風味と酸味、それにバターソースのこってりとした味わいが複雑に絡み合って、全体として記憶の中にあるトルコの味なのだ。うまい。
マントゥはお祝い事があった時の料理らしいのだけど、どう考えても面倒くさいからに違いない。
そう思って調べたら、新婦が新郎の母のために作る料理で、一つの粒が小さければ小さいほど新婦は評価される、という情報が出てきた。嫁いびりかーー。