鼻猫亭

毎日のこととかぼんやり考えたことなど

南極点上で恵方巻を食べるには 2020

 すべての方角が「北」である南極点の上で恵方に向かって恵方巻を食べるにはどうすればよいのか、という問題がある。

 この「恵方巻南極点問題」については、以前に当ブログでも記事を書いたことがあった。

 

hananeko.hatenablog.com

 

 ここでは、南極点では観測の瞬間に向かっている方向が仮の「北」とみることができるという前提に立ったうえで、その年の恵方に相当する角度に体を回転してから食べるとよいという仮説を立てた。

 その時点では我ながら説得的な説だと思っていた。しかし、この説には前提に決定的な誤りがあったのだ。内心忸怩たる思いではあるが、誤りは正されなければならない。

 実は南極点における恵方は、日本における恵方と全く異なった方向である可能性が高い。このことを解説したうえで、南極点上での恵方巻の食べ方を分析したい。

 

 そもそも恵方とは何であるか。恵方とは「その年の歳徳神が所在する方向」である。

  (参考) 恵方・えと・節分 - ことばマガジン:朝日新聞デジタル

 

 歳徳神とは、歳神様、正月様とも呼ばれており、まあ、何だ、あれだ、神様だ。その歳徳神がその年にいる方向、それが恵方の正体である。

 歳徳神がどうして毎年居場所を変えるのかは調べても分からなかったのだが、まあ、普通に考えたら引っ越しとかだ。転勤とかそういうのがあるのだろう。あまり一か所にとどまりすぎると地元企業とかとの癒着とかが起こるので定期的にローテーションとかしてるのではないだろうか。知らんけど。

 

 ともかく、恵方とは歳徳神が所在する方向である。恵方に向かって進んでゆけば、いつかは歳徳神に出会えるということだ。今年の恵方は西南西ということなので、香港あたりにいる可能性がある。

 

 そうだとすると「恵方」は観測地点によって異なる方角だと考えるべきだろう。仮に今年の歳徳神の所在地が香港だとすると、北京における恵方は南だし、バリ島における恵方は北である。

 

 もうお分かりだろう。南極点でも同様のことがいえるはずだ。南極点で恵方巻を食べる場合、単純にその年の歳徳神の方向を向けばよいのだ。「西南西は南極点ではどちらの方向を指すのか」などということを考える必要は全くなかったのである。

 このことをもって、南極点恵方巻問題に一応の終止符を打つこととしたい。

 

 なお、恵方歳徳神のいる方向であることから、歳徳神の所在地周辺では、歳徳神の周囲を360°移動しながら恵方巻を食べることも可能である。

 歳徳神の周辺住民の方はぜひ、試していただきたい。

 

 

f:id:hananekotei:20200203125304p:plain

歳徳神の周囲では移動しながら恵方巻を食べることも可能