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鼻猫亭

毎日のこととかぼんやり考えたことなど

キュウリを育てる

 春先に植物の種をたくさん植えた。
 かぶ、人参、きゅうりと、いくつかのハーブを植えた。

 かぶはすくすくと育って大きくなった。すっかり食べごろを逃してしまって、土の上からちょっと顔を出した実の上の方から見慣れない茎が伸びてしまってる。
 人参も一生懸命葉を伸ばしている。
 ハーブ勢は自由気ままに伸び放題に伸びている。

 中でも頑張っているのはキュウリである。猛烈な勢いで芽を伸ばし、目を見張る速度で背が高くなり、ぼくの胸あたりまで大きくなった。ぼくは背が高い方なので、これは結構な大きさである。

 ところが、いつまで経っても一向に蔓が伸びてこない。キュウリは蔓が伸びて絡まりながら育つと聴いていたのに、うちのキュウリは太陽に向かって太くてたくましい幹とも言うべき茎をずんずんと伸ばしている。

 きっとそのうち、その茎のどこかからにょろにょろと蔓が伸びてくるんだろうと思っていたら、幹の一番てっぺんから、今までとは様子の違う固い葉っぱのようなものが寄り集まった丸いかたまりができた。

 これ、何だか見た事がある。そうだ、これはひまわりだ。

 断じていうけど、ぼくは確かに「キュウリの種」と書かれた袋から出した種を蒔いた。思いのほか大きい種だったので、ふうんと思ったんだけど、ひまわりの種ではなかった。ひまわりの種なら知っている。平べったい紡錘形のしましま模様の種だ。ひまわりの種と間違えるわけがない。
 …わけはないんだけど、やっぱりこっちも平べったい紡錘形の種だったので、ほんとうにひまわりの種じゃなかったのかと言われるとちょっと自信がない。

 今でも、ひょっとすると、茎のてっぺんにできた丸い部分から、突然、にょろにょろと蔓が伸びてくるんじゃないかと考えている。

 想像するとちょっと怖い。