食べもの漫画に癒される
仕事で忙しくなってきたり、気持ちに余裕がなくなってくると、つい、食べもの漫画を読んでしまう。それも、料理バトルや食べもの絡みの人情ものではなく、淡々と何かを食べている漫画が良い。
気持ちに余裕がなくなってくると、起伏の激しいストーリーを追ったり、登場人物の感情の揺れに触れたりするのが億劫になる。先の読めないストーリーや緻密な心理描写は、ドキドキするけど疲れるのだ。
その点、食べもの漫画は、ものを食べているだけだ。
巧妙にめぐらされた伏線もないし、登場人物の喜怒哀楽に振り回されることもない。結末を心配する必要もないし、主人公と一緒に落ち込む必要もない。至って気楽だ。
疲れてるときには、食べもの漫画は格好の癒しとなる。
それのどこが面白いのか、と思ったりもするのだけど、間違いなく面白い。
考えてみたら、ものを食べるというのは、人間の本能的な欲求である食欲を満たす行為だ。食べもの漫画は、我々の本能にダイレクトに訴えかけてくるものだ。面白くない訳がない。
本能に直結するという意味では、食べ物まんがはエロ漫画とよく似ている。
言ってしまえばエロ漫画には、最低限エロがあればよい。たとえ起伏のあるストーリーや登場人物の緻密な心理描写がなくてもエロ漫画は成立する。食べもの漫画も食べ物があれば成立する。
そうすると、とことん疲れたときには、今度は睡眠漫画が必要になってくるかもしれない。
人間の三大欲求にダイレクトに訴えかける睡眠漫画。究極の癒し、主人公は寝る。ええからお前が寝ろ
ところで、食べもの漫画とエロ漫画が似てるって言いましたが、食べもの漫画で、やたらウェットな食事をぬらぬらした口元で恍惚とした表情を浮かべながら食べるみたいな、あからさまにセックスを暗喩するような描写を割とみかけるんだけど、あれ、個人的にはちょっと苦手なんですよね。