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鼻猫亭

毎日のこととかぼんやり考えたことなど

南極点上で恵方巻きを食べるにはどうしたら良いのか

 
 南極点上で恵方巻きを食べるにはどうしたら良いのか。

 いまさら言うまでもないかもしれませんが、恵方巻きとは、節分にその年の恵方に向かって、太巻き寿司を食べると縁起がよいとされてる習慣。「丸かぶり寿司」ともいうし、単に「太巻き寿司」ともいいます。ここでは取りあえず恵方巻きで統一したい。

 この恵方巻き、地方によって細かいルールもあるようですが、基本的には「その年の恵方に向かって、太巻き寿司にかぶりつく」ということでは概ね一致しているようです。
 今年、2012年の恵方は北北西。つまり、今年の節分は北北西に向かって太巻き寿司にかぶりつくと大層縁起がよいらしい。きっと、無病息災で家庭円満で学業成就で金運上昇しちゃったりするんでしょう。

 さて、南極点で恵方巻きを正しく食べるにはどうしたら良いのか。
 別に南極点で恵方巻きを食べる必要性はどこにも無いし、きっと温かい部屋の中で食べた方が美味しいと思うのですが、中にはせっかくだから南極点で食べたい人もいるかもしれない。何がせっかくなのか知らないけど。

 まず、「東」「西」「南」「北」とは何か。
 
 Wikipediaには「北」の定義がいくつか示されてますが、そのうち、「地表に沿って北極点に向かう方位。」というのが分かりやすそう。ちなみに、北極点とは「自転軸と地表が交わる点のうち北側」のことだそうで。「北側」といってる時点で定義としてどうなのかってのはさておいて。
 もっとも、よく考えると「北」の逆方向にどんどん進んで行っても、地球を半周した後、最終的に北極点に辿り着くわけですから、この定義はいささか不十分です。よって、「北極点まで最短の距離」って要素が必要だと思われる。ついでにいうと、地形のでこぼこによって最短距離が変わるのも困るので、地球は真球だと仮定する必要がありそうです。

 まとめると、「地球を真球と仮定した場合、地表に沿って北極点に向かう方位のうち、北極点までの距離が最短となる方位」といったところになりそうです。

 「北」が定義できれば、「東」「南」「西」はそれぞれ、「北から水平面に沿って時計回りに90度、180度、270度の方位」と定義できるんじゃないかと思われます。

 以下、この定義に沿って考えたい。


 では、南極点に立った場合、北北西の方角とはどの方角なのでしょうか。

 「北北西」とは、「北から、水平面に沿って時計回りに330度の方位」ということになりそうなので、まずは、南極点における「北」を決める必要があります。
 北とは、「地球を真球と仮定した場合、地表に沿って北極点に向かう方位のうち、北極点までの距離が最短となる方位」なわけですが、南極点の直上に立った場合、360度、全方位が北極点までの距離が最短となるはずです。つまり、あらゆる方向が「北」になるはず。南極点に立って、いま向いている方向がまさに「北」。日本の方を向いてようが、アメリカの方を向いてようが、ヨーロッパの方を向いてようが、その方角が「北」。

 「北北西」は「北」から水平面に沿って時計回りに330度の方位ですから、「いま向いてる方向」から時計回りにくるりと330度回転した方角が「北北西」ということになりそうです。

 つまり、2012年の節分の恵方巻きを南極点で食べる場合、いま、偶然向いてる方向から時計回りに330度回転した方向を向いて食べると宜しかろう。
 もしかすると、「いや待て。その方角は新たな『北』であるはずだ。」と反論される方もいらっしゃるかも知れません。しかし、その方角が「北」と「北北西」の両方に該当することもあり得るはずです。胸を張って330度回転し、しかる後、恵方巻きにかじりつくと宜しかろう。そして、福を受けると宜しかろう。


 と、ここで南極点を考えると、次は北極点で食べる場合のことを考えねばならないのは当然の流れです。
 「俺は南極点よりも北極点で食べたい。絶対に食べたい。」と仰る御仁がいらっしゃらないとも限りません。私は寒がりなので勘弁願いたいですが。

 まず、北極点における「北」とはどこなのか。
 再三繰り返しますが、北とは「地球を真球と仮定した場合、地表に沿って北極点に向かう方位のうち、北極点までの距離が最短となる方位」のことです。
 まさに北極点に立っている場合、その場所がまさに北極点なので、「北極点に向かう方位」というのが存在しないということになりそうです。つまり、北極点の真上に立っている場合、「北」が存在しない。「北」が存在しないということは、北を基準に定義すべき「東」「南」「西」も存在しない。よって、「北北西」も存在しない。

 結論としては、北極点では恵方巻きは食べられないということになりそうです。残念ながら、北極点で太巻き寿司にかじりついても、福はやってきません。寒いだけです。やめましょう。


 それでも、どうしても北極点で恵方巻きを食べたい人は、本来平面的な概念なはずの方位に、立体的な概念を無理やり持ち込むしかありません。
 
 つまり、自分の目線の位置から、立体的に北極点に向かい最短の位置、すなわち真下を「北」とする。そうすると、目線に対して垂直方向の面に沿って、時計回りに330度の位置が「北北西」となるはずです。結論としては、真下から左に30度上向いた方向。

 どうしてもどうしても、北極点で2012年の恵方巻きを食べたい方は、まず、真下を向き、目線を地面と垂直方向の面に沿って時計回りにぐるりと330度まわしてから食べましょう。これで何とか福が呼びこめそうです。きっと途中で首が吊りますがそこは我慢。


 以上、結論としては―
 

  • 南極点で2012年の恵方巻きを食べたい場合、いま向いてる方向から水平面に沿って時計回りに330度回転した方向を向いて食べる。
  • 北極点で2012年の恵方巻きを食べたい場合、真下を向き、地面と垂直方向の面に沿って時計回りに330度回転した方向を向いて食べる。

 ―と、多分、福が呼びこめます。保証しません。